こんにちは。ノマド家族のぱぱぞん(@nomadkazoku)です。
前回の「インド・ブラジル関連ETF」に引き続き、今回は「ロシア関連ETF」を比較してみたいと思います。
現在、ブラジル・インド・ロシアといった中国以外のBRICs勢が感染者数の上位を占めており、株価もコロナ前の最高値に回復できていない状況です。
ロシア主要60銘柄前後で構成されるRTS指数のチャートは、2016年1月から約4年で110%の成長をし、コロナショックで急落しました。
2020年7月時点で最高値から約26%ほど下落中です。
ロシアは、国家予算の約35%が石油に依存している石油大国のため、石油関連株の比率も高く、コロナ感染者数だけでなく原油価格の下落による影響も避けられません。
そこで、この記事では長期積立用の「ロシア関連ETF」をお探しのあなたに、米国で人気(純資産総額)の高い4本をご紹介したいと思います。
あなたに最適な「ロシア関連ETF」が見つかれば、これ幸いです。
※本記事は2020年7月時点での情報です。
米国で人気のロシアETF4本を比較
まずは各ETFの主要スペックをざっくり比較してみます。
シンボル | 純資産 総額 | 平均 出来高 | 銘柄数 | 経費率 | 分配金 利回り | 1年平均 リターン | 5年平均 リターン |
RSX | $984.9M | $95.95M | 28 | 0.67% | 6.56% | -6.07% | 8.04% |
ERUS | $442.3M | $6.53M | 25 | 0.59% | 8.10% | -8.08% | 9.22% |
FLRU | $12.8M | $0.06K | 33 | 0.19% | 6.70% | -11.18% | -% |
RSXJ | $29.7M | $0.06K | 28 | 0.77% | 5.18% | -4.87% | 11.69% |
トップシェアの「RSX」は、金鉱株ETFの「GDX」を発行するVanEck発行のETF。中国・インド・ブラジルで、いずれもトップシェアだったiSharesシリーズの「ERUS」が2番手として、少し低めの経費率を設定しています。
「FLRU」は、格安経費率のFranklinシリーズ経費率を1/3程度に抑えていますが、直近1年のリターンは最悪で、平均出来高も恐ろしく低いです。
「RSXJ」は「RSX」の小型株セグメント版で、5年平均リターンで12%近い好成績を収めていますが、平均出来高が低いため取り扱い注意です。
それぞれ個別に見てみましょう!
RSX|VanEck Vectors Russia ETF
シンボル | 純資産 総額 | 平均 出来高 | 銘柄数 | 経費率 | 分配金 利回り | 1年平均 リターン | 5年平均 リターン |
RSX | $984.9M | $95.95M | 28 | 0.67% | 6.56% | -6.07% | 8.04% |
「RSX」は、純資産総額・平均出来高ともに、ロシア関連ではダントツ1位の人気ETFです。ロシアでも流動性の高い大型株及び収益性の高い大型株を時価総額加重で追跡する「MVIS Russia Index」を指標としており、上限8%の規定のもと、28銘柄で構成されています。
上限8%ルールがるため、他のETFと比較し、超大型株の割合が低めに抑えられていますが、上位10銘柄の構成比率が約59%と分散効果は低めです。
銘柄名 | 保有比率 (%) |
Gazprom PAO | 7.82 |
Sberbank Rossii PAO | 7.80 |
NK Lukoil PAO | 6.54 |
GMK Noril’skiy Nikel’ PAO | 5.86 |
Novatek PAO | 5.65 |
Yandex NV | 5.54 |
Polyus PAO | 5.14 |
Tatneft’ PAO | 5.09 |
Polymetal International PLC | 4.79 |
Magnit PAO | 4.60 |
他 | 41.16 |
ERUS|iShares MSCI Russia ETF
シンボル | 純資産 総額 | 平均 出来高 | 銘柄数 | 経費率 | 分配金 利回り | 1年平均 リターン | 5年平均 リターン |
ERUS | $442.3M | $6.53M | 25 | 0.59% | 8.10% | -8.08% | 9.22% |
「ERUS」は、ロシア証券取引所に上場されている株式の時価総額の上位85%のパフォーマンスを測定するために設計された浮動株時価総額加重型指数「MSCI Russia 25/50 Index」と連動を目指すETFです。
※指標名にあるの”25/50″とは、構成比率の大きな銘柄を制限し、銘柄集中によるリスクを低減させる仕組みで、以下のようなルールに基づき構成されています。
・25%ルール:1銘柄の上限が25%まで
・50%ルール:5%超の銘柄の合計比率が50%まで
銘柄名 | 保有比率 (%) | 業種 |
GAZPROM | 16.11 | エネルギー |
NK LUKOIL | 14.25 | エネルギー |
SBERBANK ROSSII | 13.82 | 金融 |
TATNEFT | 4.49 | エネルギー |
POLYUS | 4.36 | 素材 |
PAO NOVATEK GDR | 4.25 | エネルギー |
MAGNIT PJSC SPONSORED RUSSIA RU DR | 3.75 | 生活必需品 |
GMK NORILSKIY NIKEL | 3.72 | 素材 |
X5 RETAIL GROUP GDR NV | 3.45 | 生活必需品 |
POLYMETAL INTERNATIONAL PLC | 3.44 | 素材 |
他 | 28.37 |
”25/50″縛りがあるものの、上位3銘柄だけで約44%、エネルギー関連上位5社で約53%を占められており、大きな偏りがあります。
保有銘柄数が少ないため、ETFの構成内容を比較するツール「Fund Overlap」を使って、親:RSX↔子:ERUSで重複率を調べてみました。
左が資金の重複率、右が業種別の差分です。親の比率が多い場合プラス、子が多い場合マイナスになります。
資金の重複率はRSX側がADRを活用している事が原因でほぼ参考になりません。
業種の差分では「RSX」が上限8%ルールの効果でエネルギー集中の比率を10%ほど下げられています。
FLRU|Franklin FTSE Russia ETF
シンボル | 純資産 総額 | 平均 出来高 | 銘柄数 | 経費率 | 分配金 利回り | 1年平均 リターン | 5年平均 リターン |
FLRU | $12.8M | $0.06K | 33 | 0.19% | 6.70% | -11.18% | -% |
「FLRU」は、2018年に低コストでおなじみFranklinシリーズのETFです。33銘柄で構成されていますが、上位10銘柄の比率は7割を超えています。
銘柄名 | 保有比率 (%) | 業種 |
SBERBANK OF RUSSIA PJSC | 16.23 | 金融 |
GAZPROM PJSC | 15.80 | エネルギー |
LUKOIL PJSC | 15.68 | エネルギー |
NOVATEK PJSC | 4.36 | エネルギー |
MMC NORILSK NICKEL PJSC | 3.99 | 素材 |
TATNEFT PJSC | 3.59 | エネルギー |
POLYUS PJSC | 3.14 | 素材 |
ROSNEFT OIL CO PJSC | 2.80 | エネルギー |
MAGNIT PJSC | 2.69 | 生活必需品 |
MOSCOW EXCHANGE MICEX RTS PJ | 2.47 | 金融 |
他 | 29.27 |
こちらも「Fund Overlap」を使って、親:RSX↔子:FLRUで重複率を調べてみました。
「ERUS」のときと同様、資金の重複率はRSX側がADRを活用している事が原因でほぼ参考になりません。
業種の差分も「ERUS」と比較した際と似ていますが、銘柄数が少し多い分「FLRU」の方が業種に若干の広がりがあるようです。
RSXJ|VanEck Vectors Russia Small-Cap ETF
シンボル | 純資産 総額 | 平均 出来高 | 銘柄数 | 経費率 | 分配金 利回り | 1年平均 リターン | 5年平均 リターン |
RSXJ | $29.7M | $0.06K | 28 | 0.77% | 5.18% | -4.87% | 11.69% |
「RSXJ」は「RSX」と同シリーズの小型株セグメント版です。
28銘柄で構成されており、上位10銘柄の比率は約59%とやはり高めです。
銘柄名 | 保有比率 (%) |
AFK Sistema PAO | 8.1 |
Moskovskiy Kreditnyi Bank PAO | 7.9 |
Detskiy Mir PAO | 6.8 |
Gruppa LSR PAO | 6.2 |
Aeroflot-Rossiyskiye Avialinii PAO | 6.1 |
Qiwi PLC | 5.4 |
Yunipro PAO | 5.3 |
Petropavlovsk PLC | 4.6 |
HeadHunter Group PLC | 4.3 |
Globaltrans Investment PLC | 4.2 |
他 | 41.1 |
※業種付きのリストが見当たらなかったので、ETF全体のセグメントをつけときます。
小型株への投資のため、業種の分散性は幅広く、エネルギー比率も少ないため、「RSX」と組み合わせには最適ですね。出来高が少ないことが悔やまれます。
ロシアETFの購入方法
ご紹介した4つのロシア関連ETFのうち、3つは楽天証券で取り扱いがあるようです。
iSharesの「ERUS」はSBI証券、マネックス証券でも購入可能です。
「FLBR」を購入したい場合は、米国市場のETFが全て購入可能なFirstradeの口座開設をご検討ください。
ただし、米国の証券会社では、特定口座やNISA口座等に対応していないため、配当金や売買益に対して、日本国内で確定申告が必要となりますのでご留意ください。
比較の結果 ロシア小型株ETF「RSXJ」購入
以上「米国で人気のロシア関連ETF4本」を比較してみました。
現在僕は、ポートフォリオの5%ほど「ERUS」を組み込んでいるのですが、積立予算の一部を小型株補完のため「RSXJ」の購入も検討したいと思います。
ではまた!
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